主な不規則動詞の直説法現在(1)
主な不規則動詞の直説法現在(1)
このページでは、主な不規則動詞の現在形と過去分詞を取り上げます。
表の上に「不定詞」と「過去分詞」を載せてから、表の中に「直説法現在」の活用を記載します。
参考までにカタカナ発音を載せていますが、発音に自信のある人は無視してください。
不定詞, 過去分詞
単数 複数 | 1 人称 2 人称 3 人称 1 人称 2 人称 3 人称 |
収録済みの動詞一覧:
aller (apparaître) appeler avoir (céder) conduire connaître
(construire) (contenir) (couvrir) croire (découvrir) (détruire)
(devenir) devoir dire (disparaître) écrire (espérer) être
faire falloir (lever) lire mener mettre mourir naître
ouvrir paraître perdre pleuvoir pouvoir (posséder)
(préférer) prendre (produire) (réduire) (régner) répéter
savoir (semer) (tenir) valoir venir vivre voir vouloir
【意味】
~である [英語 be]
【豆知識】
2 人称単数は、s で終わるパターンが多いと言えます。
être の過去分詞 été は、「夏」という意味の男性名詞と偶然同じ形になります。
【カタカナ発音】
「エートル、エテ」
「ジュ スュイ、チュ エ、イ レ、ヌー ソム、ヴー ゼットゥ、イル ソン」
【意味】
持っている [英語 have]
【豆知識】
英語をやった人は、avoir の 3人称単数の a が、英語の冠詞の a とイメージが重なってしまい、なかなか変な錯覚から抜け出せないものです。
【カタカナ発音】
「アヴォワール、ユ」
「ジェ、チュ ア、イ ラ、ヌー ザヴォン、ヴー ザヴェ、イル ゾン」
【意味】
する・行う・作る [英語 do, make]
【豆知識】
faire のように、単数形の末尾が -s, -s, -t と変化するのは、よくあるパターンです。
s も t も発音しないため、単数形は 3 つとも同じ発音になります。
また、faire のように 3人称単数と過去分詞が同じ形になるというのも、よくあるパターンです。
特に faire の場合は、「事実」という男性名詞も fait という同じ形です。つまり 3 種類の fait
(3人称単数、過去分詞、名詞)が同じ形になりますので、注意が必要です。
faire の 1人称複数「faisons」は「ai」の発音が不規則(綴りと発音が不一致)なので要注意。
【カタカナ発音】
「フェール、フェ」
「ジュ フェ、チュ フェ、イル フェ、ヌー フゾン、ヴー フェットゥ、イル フォン」
【意味】
行く [英語 go]
【カタカナ発音】
「アレ、アレ」
「ジュ ヴェ、チュ ヴァ、イル ヴァ、ヌー ザロン、ヴー ザレ、イル ヴォン」
【意味】
来る [英語 come]
【豆知識】
過去分詞が u で終わる(しかも比較的短い言葉になる)のも、よくあるパターンです。
3 人称複数の末尾の -ent は、どの動詞・どの時制でも、絶対に発音しません。
【カタカナ発音】
「ヴニール、ヴニュ」
「ジュ ヴィヤン、チュ ヴィヤン、イル ヴィヤン、ヌー ヴノン、ヴー ヴネ、イル ヴィエンヌ」
【venir と同じ活用をする動詞】
devenir (~になる)、tenir (持つ・つかむ)、contenir (含む)など。
いずれも enir の部分が同じ活用になります。
【意味】
~できる [英語 can]
【豆知識】
pouvoir のように、単数形の末尾が -x, -x, -t と変化するのも、よくあるパターンです。
1 人称単数の peux は、硬い文では puis という形になる場合があります。
この puis は、「それから」という意味の接続詞と、たまたま同じ形になります。
【カタカナ発音】
「プーヴォワール、ピュ」
「ジュ プー(ジュ ピュイ)、チュ プー、イル プー、ヌー プーヴォン、ヴー プーヴェ、イル プーヴ」
【意味】
~したい [英語 want]
【カタカナ発音】
「ヴーロワール、ヴーリュ」
「ジュ ヴー、チュ ヴー、イル ヴー、ヌー ヴーロン、ヴー ヴーレ、イル ヴール」
【意味】
~しなければならない [英語 must]
【豆知識】
devoir の過去分詞 dû には、u の上にアクサン シルコンフレクス(山形の印)がついています。これは前置詞 de と定冠詞 le の縮約形である du との混同を避けるためにできた約束事です。過去分詞の性数の一致によって dû に e, s, es がつくと、混同する恐れはなくなるため、アクサン シルコンフレクスが取れて due, dus, dues となります。
参考:devoir の過去分詞の変化
男性 | 女性 | |
単数 | dû | due |
複数 | dus | dues |
ちなみに、 devoir は準助動詞の「~しなければならない」の意味のほかに、
devoir A à B (A を B に負う)
という他動詞の意味もあり、これを受動態にすると、
A est dû à B (A は B に負っている、A は B が原因だ)
となります。これが英語に入って、
due to ~ (~のせいで)
という表現が生まれました(フランス語の女性単数の形と同じです)。
【カタカナ発音】
「ドゥヴォワール、デュ」
「ジュ ドワ、チュ ドワ、イル ドワ、ヌー ドゥヴォン、ヴー ドゥヴェ、イル ドワーヴ」
【意味】
言う [英語 say]
【豆知識】
dire は 2 人称複数で dites という不規則な形になります。
dire も 3 人称単数と過去分詞が同じ形です。
【カタカナ発音】
「ディール、ディ」
「ジュ ディ、チュ ディ、イル ディ、ヌー ディゾン、ヴー ディットゥ、イル ディーズ」
【意味】
思う・考える・信じる [英語 think, believe]
【カタカナ発音】
「クロワール、クリュ」
「ジュ クロワ、チュ クロワ、イル クロワ、ヌー クロワイヨン、ヴー クロワイエ、イル クロワ」
【意味】
読む [英語 read]
【豆知識】
この動詞から派生した女性名詞 lecture (発音:レクチュール)は「読書」という意味。英語にも同じ綴りで入っていますが、意味は変わって「レクチャー(講義)」の意味。
【カタカナ発音】
「リール、リュ」
「ジュ リ、チュ リ、イル リ、ヌー リゾン、ヴー リゼ、イル リーズ」
【意味】
書く [英語 write]
【カタカナ発音】
「エクリール、エクリ」
「ジェクリ、チュ エクリ、イ レクリ、ヌー ゼクリヴォン、ヴー ゼクリヴェ、イル ゼクリーヴ」
【意味】
見る [英語 see]
【豆知識】
過去分詞 vu から派生した言葉に、déjà-vu (デジャ ヴュ、既視感)という言葉があります。もとは「すでに見た」という意味です。
【カタカナ発音】
「ヴォワール、ヴュ」
「ジュ ヴォワ、チュ ヴォワ、イル ヴォワ、ヌー ヴォワイヨン、ヴー ヴォワイエ、イル ヴォワ」
【意味】
生きる [英語 live]
【豆知識】
vivre (生きる)の現在と voir (見る)の単純過去は、単数形が同じ形になります(je vis, tu vis, il vit)。どちらの意味かは、文脈で判断するしかありません。
【カタカナ発音】
「ヴィーヴル、ヴェキュ」
「ジュ ヴィ、チュ ヴィ、イル ヴィ、ヌー ヴィヴォン、ヴー ヴィヴェ、イル ヴィーヴ」
【意味】
死ぬ [英語 die]
【豆知識】
mourir (死ぬ)の過去分詞 mort は、形容詞化すると「死んだ」という意味になり、これがさらに名詞化すると「死者」の意味になります。
【カタカナ発音】
「ムーリール、モール」
「ジュ ムール、チュ ムール、イル ムール、ヌー ムーロン、ヴー ムーレ、イル ムール」
【意味】
生まれる
【豆知識】
3人称単数だけ、i がアクサン シルコンフレクスになります(点が取れて山形の印になります)。
naître (生まれる)の名詞の形は naissance (誕生)。これに「再び」を意味する接頭語 re- がつくと renaissance (再生、ルネッサンス)になります。
【カタカナ発音】
「ネートル、ネ」
「ジュ ネ、チュ ネ、イル ネ、ヌー ネソン、ヴー ネセ、イル ネス」
【意味】
知っている [英語 know]
【豆知識】
connaître (知っている)は上の naître (生まれる)とほとんど同じ活用をします(現在形はまったく同じです)。ただし、過去分詞は異なります。
【カタカナ発音】
「コネートル、コニュ」
「ジュ コネ、チュ コネ、イル コネ、ヌー コネソン、ヴー コネセ、イル コネス」
【意味】
現れる、~のように見える
【豆知識】
上の connaître とまったく同じタイプの活用をしますが、重要な動詞なので改めて取り上げます。
接頭語 a (方向性を示す)がついて p がダブると apparaître (現れる)となり、これが英語に入って appear になりました。
接頭語 dis (否定を示す)がつくと disparaître (消える)となり、これは英語の disappear に相当します。
【カタカナ発音】
「パレートル、パリュ」
「ジュ パレ、チュ パレ、イル パレ、ヌー パレソン、ヴー パレセ、イル パレス」
【paraître と同じ活用をする動詞】
apparaître (現れる)
disparaître (消える)
【意味】
知っている [英語 know]
【カタカナ発音】
「サヴォワール、スュ」
「ジュ セ、チュ セ、イル セ、ヌー サヴォン、ヴー サヴェ、イル サーヴ」
【意味】
取る・得る [英語 take]
【豆知識】
このように単数形の末尾が -s, -s, - となる( 3 人称で s が取れる)のも、よくあるパターンです。
【カタカナ発音】
「プランドゥル、プリ」
「ジュ プラン、チュ プラン、イル プラン、ヌー プルノン、ヴー プルネ、イル プレンヌ」
【意味】
失う [英語 lose]
【カタカナ発音】
「ペルドゥル、ペルデュ」
「ジュ ペール、チュ ペール、イル ペール、ヌー ペルドン、ヴー ペルデ、イル ペルドゥ」
【意味】
置く [英語 put]
【カタカナ発音】
「メットゥル、ミ」
「ジュ メ、チュ メ、イル メ、ヌー メトン、ヴー メテ、イル メットゥ」
【意味】
導く [英語 conduct]
【カタカナ発音】
「コンデュイール、コンデュイ」
「ジュ コンデュイ、チュ コンデュイ、イル コンデュイ、ヌー コンデュイゾン、ヴー コンデュイゼ、イル コンデュイーズ」
【conduire と同じ活用をする動詞】
produire (生産する)、construire (建築する)、détruire (破壊する)、
réduire (還元する)など。
いずれも uire の部分が同じ活用になります。
【意味】
開く [英語 open]
【カタカナ発音】
「ウーヴリール、ウーヴェール」
「ジューヴル、チュ ウーヴル、イルーヴル、ヌーズーヴロン、ヴーズーヴレ、イルズーヴル」
【ouvrir と同じ活用をする動詞】
couvrir (覆う)、découvrir (発見する)、offrir(差し出す)など。
【意味】
導く [英語 lead]
【カタカナ発音】
「ムネ、ムネ」
「ジュ メンヌ、チュ メンヌ、イル メンヌ、ヌー ムノン、ヴー ムネ、イル メンヌ」
【mener と同じ活用をする動詞】
lever (起こす)、semer (蒔く)など。
いずれも語尾 er の 2 文字前のアルファベットが e で、この e が 4 箇所で è に変わります。
【意味】
繰り返す [英語 repeat]
【豆知識】
répéter はアクサンの向きが不規則になる動詞です。1~3人称単数と3人称複数は「アクサン グラーヴ」、1人称複数と2人称複数では「アクサンテギュ」になります。
【カタカナ発音】
「レペテ、レペテ」
「ジュ レペットゥ、チュ レペットゥ、イル レペットゥ、ヌー レペットン、ヴー レペテ、イル レペットゥ」
【répéter と同じ活用をする動詞】
céder (譲る)、posséder (所有する)、régner (君臨する)、
préférer (好む)、espérer (希望する)、inquiéter (心配させる)など。
いずれも語尾 er の 2 文字前のアルファベットが é で、この é が 4 箇所で è に変わります。
s'appeler
je tu il nous vous ils | m' t' s' nous vous s' | appelle appelles appelle appelons appelez appellent |
【意味】
呼ぶ [英語 call]
【豆知識】
appeler は 1~3人称単数と3人称複数で l がダブります。
この動詞は、単独だと「呼ぶ」という意味ですが、再帰代名詞(詳しくは文法編を参照)と一緒に使って、「自分を~と呼ぶ」つまり「~という名前である」という意味でもよく使われます。
右の表は、再帰代名詞を(主語と動詞の間に)入れた形です。この形も併せて覚えてください。
【カタカナ発音】
(左)
「アプレ、アプレ」
「ジャペル、チュ アペル、イラペル、ヌーザプロン、ヴーザプレ、イルザペル」
(右)
「サプレ」
「ジュマペル、チュタペル、イルサペル、ヌーヌーザプロン、ヴーヴーザプレ、イルサペル」
【意味】
~の価値がある、~に値する
【豆知識】
この動詞は「人」ではなく「物」が主語になる動詞なので、ほとんど常に 3 人称(特に 3 人称単数)で使用します。
je や tu の活用はほとんど覚える必要はありませんが、il と ils だけだと、かえって覚えにくいので、一応現在形は一通り覚えておきましょう。
ついでに、他の主な時制も、3 人称単数だけでよいので覚えてしまいましょう。
valoir は「~の価値がある、~に値する」などの意味のほか、熟語
Il vaut mieux ~ (~するほうがいい)
などでよく使われます。
過去分詞 valu は、英語の value (価値)の語源となっています。
【カタカナ発音】
「ヴァロワール、ヴァリュ」
「ジュ ヴォ、チュ ヴォ、イル ヴォ、ヌー ヴァロン、ヴー ヴァレ、イル ヴァル」
(他の時制)
「イル ヴァレ、イル ヴォドラ、イル ヴォドレ、キル ヴァイユ」
【意味】
必要がある [英語 該当なし]
【豆知識】
falloir は 3 人称単数でのみ使用する動詞です。
必ず非人称の il とセットで使います。
Il faut + inf. で「~しなければならない」。
3 人称単数以外の形は存在しません。
覚えるのは 3 人称単数だけでよいので、その代わり、他の時制も覚えてしまいましょう。
【カタカナ発音】
「ファロワール、ファリュ」
「イル フォ、イル ファレ、イル フォドラ、イル フォドレ、キル ファイユ」
【意味】
雨が降る [英語 rain]
【豆知識】
pleuvoir も 3 人称単数でのみ使用する動詞です。
必ず非人称の il とセットで使います。
Il pleut. で「雨が降る」。
3 人称単数以外の形は存在しません。
覚えるのは 3 人称単数だけでよいので、その代わり、他の時制も覚えてしまいましょう。
【カタカナ発音】
「プルーヴォワール、プリュ」
「イル プルー、イル プルーヴェ、イル プルーヴラ、イル プルーヴレ、キル プルーヴ」
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